家賃 値下げ交渉 | 知らないと損をする賃貸 家賃交渉術

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[最終更新日]2013/12/26 [公開日]2011/04/11

消費税率アップに伴い、いよいよ賃料増額改定が始まる!!

家賃交渉 消費税引き上げを逆手に取る!? そのこころは?

借地借家法32条1項についてまとめたイラスト

このページでは「家賃値下げ交渉」について、ハーバード流交渉術をベースにして、どこよりも詳しく実践形式で徹底解説しています!(多くのプロの参考書)

日本経済の復活を妨げる家賃水準

このグラフをみてください!

ここ20年間、いろんなものは右下がりなのに家賃水準だけ、なんとバブル期を超える水準で高止まりしたままです!

給与水準は右肩下がりで家賃水準は高止まり。

これじゃ、使えるお金が減ってゆくばかりで、消費にまわるお金がどんどん少なくなるはず・・・。

日本経済の足を思いっきり引っ張っているのは高止まりしたままの家賃!!

この研究と原因究明、交渉論を長年やってます。。。

↑ 制限のない鮮明な画像はこちらから


この動画は2010年9月12日にアップロードされたものですが
分析が鋭く大変参考になります。


第1章 有名な駆け引き型交渉 ( あなたなら どう交渉する? )

海外旅行で目にする露店

笑えます。さぁ、まずは家賃値下げ交渉の腕試しだと思って値切ってみてください。




「交渉」という言葉から真っ先に思い浮かべるイメージは、次の駆け引き型交渉ではないでしょうか。海外の露天商の店先でよく見かける光景です。あなたが海外旅行に出かけているつもりで値切ってみてください。

主人・・・お客さん、ちょうどいい。この皿なんか、いかが?
あなた・・・いいね。いくら?
主人・・・素敵な年代物でしょう。125ドルでお譲りしましょう。
あなた・・・おじさん、ふっかけ過ぎ。ここに傷があるし、へこんでいるじゃない。
35ドルってとこだね。
主人・・・お客さんもキツイこと言うね。少々の傷とへこみはあるけれど、なかなかの
物でしょう。本気でお買いになりたいと思われるんだったら勉強しますよ。
でも、35ドルはひど過ぎますよ。
あなた・・・じゃ、40ドル出しましょう。でも、125ドルなんてとんでもないでしょ。
主人・・・きついこと言うね。お客さん。しっかり、してらっしゃる。お若いのに。
じゃ、即金で80ドル!
あなた・・・50ドル!
主人・・・50ドルじゃ、話になりませんよ。仕入れに、もっとかかってますから・・・
あなた・・・50ドル50セント。
主人・・・お客さん、よ~く見てください。この皿の模様。いい仕事してるでしょう。
骨董市に出せばその倍の値はつきますよ・・・

この例のような交渉は、売る側は「できるだけ高く売りたい。」という立場に固執し、買う側は「できるだけ安く買いたい。」という立場に固執することから、それぞれの立場に意志の基礎を置く「立場駆け引き型交渉」と呼ばれ(『ハーバード交渉術』株式会社三笠書房などより)、一般的な交渉のパターンとして知られています。

では、この「立場駆け引き型交渉」を家賃減額交渉に利用できるのでしょうか?

結論を先に申し上げれば、単純な「立場駆け引き型交渉」は、ふたを開けて見なければ結果が分からないという大きな欠点があります。

そのため、さらに細かく分類した上で利用できるところを利用し、そうではないデメリットを含んだ部分を利用しない、ということになります。以下で、このことを確認していきましょう。

以下では、日常生活に密接に関係してくる、マンション 家賃 値下げ交渉、家賃 値下げ交渉(更新時の家賃交渉及び賃料交渉)という特定の分野を取り上げ、「有効な交渉とは」如何なるものか、可能な限り体系立てながら掘り下げて説明を試みたいと思います。

ネット上や巷に溢れる経験談をもとにした交渉マニュアル(交渉のコツ)、交渉方法(家賃交渉の仕方)、交渉術とは一線を画したものに仕上がっていると思います。

そして、家賃交渉以外の交渉でも応用できるようになっています。

特に、以下の、最強のカードの作り方と使い方は、あなたのビジネスーンに大きく影響を与えるのではないでしょうか。もちろん外交問題を解き明かすヒントも与えてくれそうです。最後までお付き合いをしていただきたいところですが、忙しくお時間がないと思いますので、ぜひ『お気に入り』や左の『ブックマーク』をしていただけたら幸いです。



第2章 交渉の類型と選択

3人のビジネスマンが握手

少し小難しいことを書きますので、とばされても結構です。





ひと口に交渉と言っても千差万別です。そこで選択と組み合わせが重要となります。

交渉についていろいろな分類を行うことが可能ですが、以下に交渉類型の概略を表します。そして、家賃減額交渉ではどれとどれを組み合わせると効果的か、考えてみましょう。一部、『ハーバード交渉術』(株式会社三笠書房、ロジャー・フィッシャー教授ら著)を参考にしています。

第1 交渉の類型

1 両者の関係に着目した分類

まず、大きな類型として、交渉を行う両者の関係による分類を行います。関係単発型の交渉(その場限りの関係でその場限りの交渉)か、それとも関係継続型の交渉(継続的な関係が続く交渉の型)か、で大きく分けることができます

一般的に、この2つの交渉では交渉方法が異なり、交渉の目的も異なる場合が多いのです。

2 合意を目指す交渉か否かの分類

交渉を行う両者の一方が、あるいはこの両者が、本心の部分で、交渉において合意を目指しているか否かで分類することができます。

一般的に、交渉を行う両者の一方のみが合意を目指している場合、そうではない(交渉が決裂しても仕方ないと思っている)方に有利に交渉が進む傾向があることは、広く知られています。

3 本来の交渉か、相手の交渉方法を探る交渉かの分類

上記2との関連で、相手の交渉方法を知ることが重要になってきます。そこで、現に行われている交渉が本来の交渉を行うための交渉か、それとも相手の交渉方法を探る交渉かで分類することができます。

4 最も一般的な立場駆け引き型交渉に基く分類

4-1 異なる立場のベクトルの向きによる交渉の分類(トミーインベストメンツ分析のベクトルの向きによる分類)

一般的な「立場駆け引き型交渉」で、よく目にする交渉パターンでの分類です。

この場合、当初、交渉を行う両者のベクトルの向きは真逆の場合が多く、そうでないとしてもベクトルの向きが開いている場合が多く、それぞれの交渉者が我を通そうとして、それそれの意志がぶつかり合います。

テーブル挟んで向き合うビジネスマンのイラスト

「これは譲れない。」とか、から始まり、その後、交渉決裂を防ぐためにそれそれのベクトルの向きが内向きになり始め、その後、極端な立場を例示し、かろうじて交渉を維持する程度でしか譲歩をみせず、自分の本音を相手に知られないように相手を錯誤させ(自分側のベクトルの方向をあえて変化させ)、相手の様子(早期解決を望んでいるか否かなど)を見て(あるいは見るために)あえて解決を引き延ばしにかかる手法と取る、といったパターンのベクトルの向きによる分類です。

4-2 穏やか型(ソフト型)か、強行型(ハード型)か、の分類

以下に、『ハーバード交渉術』(株式会社三笠書房、ロジャー・フィッシャーら著)の「立場駆け引き型でどちらの方式をとるか」記載の頁を一部参考にして、前者が穏やか型(ソフト型)で、後者が強行型(ハード型)としてまとめてみます。

① 交渉相手は家族・友人か、それとも敵か、

対面するビジネスマンのイラスト

② 相手を信頼する交渉方法か疑う交渉方法か、

③ 交渉の目的が合意にあるのか勝利にあるのか、

④ 関係を維持深化させるための交渉方法か関係維持を条件として譲歩を迫る交渉方法か、

⑤ 交渉の場において相手にも問題にも柔軟性をもつ交渉方法か強硬な交渉方法か、

⑥ 自分の立場を簡単に変える交渉方法か変えない交渉方法か、

⑦ 合意に向けて提案する交渉方法か脅す交渉方法か、

⑧ 譲歩できる最低ラインを明かす交渉方法か隠して欺く交渉方法か、

⑨ 和解合意へ向けいて不利な条件を承諾する交渉方法か和解を人質にして有利な条件を相手にのませる交渉方法か、

⑩ 交渉の目的は一つで相手が受け入れられるものを求め続ける交渉方法か自分が受け入れられるものを求める交渉方法か、

⑪ 合意したいことを強調する交渉方法か自分の立場を強調する交渉方法か、

⑫ 意志のぶつかり合いを避けようとする交渉方法か意志をぶつけて勝とうとする交渉方法か、

⑬ 圧力に屈する交渉方法か圧力をかける交渉方法か。

以上のようになります。このとき、さらに以下のように分類できます。

a:ソフト型ソフト型   b:ソフト型ハード型   c:ハード型ソフト型   d:ハード型ハード型

自分側 相手側
a ソフト型 ソフト型 ⇒ 合意の可能性が大きく結論が早く出る。
   (賢明な結論でない場合も)
b ソフト型 ハード型 ⇒ 相手側に譲歩し早期の合意が可能
c ハード型 ソフト型 ⇒ どの時点かで相手側が譲歩してくるため早期に合意を
行うことも可能
d ハード型 ハード型 ⇒ どちらかが態度を変えない限り交渉決裂
    ( ⇒ 調停 ⇒ 訴訟 )

4-3 上記との対比で原則立脚型(ハーバード大学交渉学研究所所長ロジャー・フィッシャー教授ら提唱)

① 自分も相手も問題を解決するために交渉の場につく。(両者の意志のベクトルが同じ点を向いている。)

② 相手を信頼するしないとは無関係に交渉が進行する。

③ 交渉の目的は相互に効果的かつ友好的で賢明な結果を導き出すことにある。(引越しをせず賃料を一部引き下げ長期安定的な関係を築くことにある。)

④ 人間関係と問題を分けて考える。

⑤ 交渉の場において、相手には柔軟性をもち、問題には強硬になる。

⑥ 立場ではなく利害(賃料)に焦点を合わせる。

名刺交換のイラスト

⑦ 利害(賃料)を探る。

⑧ 最低線を出すやり方を避ける。

⑨ 双方にとって有利な選択肢を考え出す。(引越しをせず賃料を一部引き下げ長期安定的な関係を築く)

⑩ まず、複数の選択肢をつくり(合理的な賃料の額をいくつか用意し)、決定はその後にする。

⑪ 客観的基準を強調する。(まずは自分の経済的状況が大変であるとかの事情を強調するのではなく、だれでもが納得でき、かつ、大家さんも納得でき、反論できない、借地借家法が借貸増減請求権を行使する際の要件と定める基準について、基準値の変化を強調する。)

⑫ 意志とは無関係な客観的基準に基いて結果を出す。

⑬ 理を説き、相手の言う理には耳を傾け、圧力でなく原則(客観的な基準)に合わせる。(相手の言う理について、あらかじめ5つほど予測して合理的な反論を用意しておき、耳を傾け、頷いたあとで応酬話法によってこちらがリードしていきます。)

5 国民性による、日本型か、欧米型(特に米国型)かの分類

グローバル化されたビジネスの世界を除き、国民の気質によって、当然、交渉方法が異なってきます。一般的に、日本型=穏やか型(ソフト型)、欧米型(特に米国型)=強行型(ハード型)、と言われています。

6 係争以降の交渉か、平時の交渉かの分類

いよいよ、民事事件でも、みなさんの代理をしてくれる弁護士の方々の専門分野です。

戦争や内戦などの極めて特殊な場合はさておき、民事の問題が裁判所で取り扱われている状況での(もしくはそうなりそうな状況下での)和解へ向けた交渉か(係争以降の交渉か)、それ以前の単なる交渉かで分類できます。

公平・中立な裁判所が第三者として関与するかしないかで交渉の方法は変わってきます。

少し余談になりますが、裁判所が公表するデータによれば、裁判所で取り扱われる民事事件の多くは和解によって決着します。(この場合、広い意味で交渉が合意に至ります。)

民事ですので後のことを考えれば、禍根を残しにくい和解がよいかもしれません。特殊ではない一般的な民事事件では、判決の前の段階で、裁判所(裁判官)も積極的に和解をすすめるそうです。また、有能な弁護士の方もそうするそうです。

そうであるのならば、月1回の裁判期日を重ねて、長期間争い、ともに消耗していくのであるから、また、多くの判例により結果がある程度予測できるのであるのなら、それを踏まえ早期に和解した方が賢明な場合が多いのではないか、とも思われます。

電球が光るイラスト

そのためか、特殊ではない一般的な民事事件では、裁判の早い段階でも和解が試みられるそうです。

ということから、民事裁判で自分側の弁護士の方が早い段階で自分に和解をすすめるからといって、その弁護士の方がその事件を面倒くさがっているわけではない、ということです。

長い期間をかけても、かけなくても、結果がほとんど同じであれば、早期に和解した方が消耗しなくてすみ、合理的で、依頼者のためにもなるのではないか、とも思われます。(早期決着が良いことは家賃減額交渉でも同じです。)

そして、日本の民事事件を(裁判所で)和解に至らせる交渉方法は「落としどころ」を決めシナリオを描くことだそうです。この方法が上記のとおり高い実績を上げているということになります。

したがって、これを使わない手はありません。

第2 選択(家賃減額交渉を行う際の選択)

1 原則立脚型交渉(客観的基準にもとづく交渉、『ハーバード交渉術』参照)

家賃減額交渉を行う際には、法(借地借家法第32条)に基き行います。そして、借地借家法第32条は「客観的基準」を借貸増減請求権の要件としています。一方、上述のとおり原則立脚型交渉も「客観的基準」をもとに行います。

したがって、家賃減額交渉を行う際には原則立脚型交渉が適しているといえます。

ノートパソコンのイラスト

ただし、「家賃減額交渉を行う際には、法(借地借家法第32条)に基き行います。」と言いましたが、現実には、家賃減額交渉時に法律を前面に出したりはしません。

国民性でしょうか、法律を前面に出してしまったら、まとまる話もまとまることが難しくなります。交渉相手の大家さんがムキになり構えてしまします。

そのため、法(借地借家法第32条)のことは、事前準備の予備知識として頭の中に置いておきます。

ここではこの原則立脚型交渉に国民性を加味し、しかもより早期に合意に至るように以下のように工夫をしていきます。

2 交渉開始時、あるいは交渉合意に至ったときに、交渉相手に高い満足感を与える手法

2-1 問題の本質のすり替え型(トミーインベストメンツ帰納分析による極めて効果が高い手法)

本当はあまり公開したくない部分ですが、交渉のテクニカル的な内容になります。

交渉の本質的なテーマを「家賃を引き下げるか否か」から「(客観的な基準に裏付けられる)2~3つ以内の選択肢となる賃料について、どの賃料にするか(選ぶか)」にすり替えてしまいます。

これを私達は「決めてかかる決め手、問題の本質すり替え型」と読んでいます。

この方法ですと、交渉相手(大家さん)は、自ら選択肢の中から一つを選ぶわけですから、合意形成に積極的に参加し、決定内容をリードしたという意識が生まれ、不満が残るどころか満足感さえ生まれることが多くあります。(この内容を引用される場合には出典として必ず当HPを示していただきますようにお願い致します。)

2-2 交渉相手の大家さんに敵意をもたれないようにする(誠実な交渉にするために)

上記したように、原則立脚型交渉も含んでいる「立場駆け引き型交渉」は、本来、意志と意志とのぶつかり合いの交渉です。家賃減額交渉では、「家賃をできるだけ引き下げたい。」という意志と、「現在のような経済状況下でも家賃はできるだけ引き下げたくない。」という意志がぶつかり合います。

したがって、それぞれの側が自らの意志をむき出しにして相手の立場を変えさせようとすると、お互い人間同士ですので相手側に自然と敵意が芽生えてきます。

しかし、個人向け家賃減額交渉ではこれを避けた方が賢明です。

家のイラストの上に!

そのため、これから家賃減額交渉を行おうとしている個人のみなさんは、事前に、大家さんに会う機会があれば明るく笑顔で挨拶をしたり、住んでいる周りをきれいに掃除したりして、人間関係を良好な状態にしていた方が良いでしょう。

(ただ、これをやらなくても交渉は概ねうまくいきます。実際、「大家さん、オーナーさんなんか、見たこともない。」という場合がほとんどでしょうから、それに適した家賃交渉の方法が求められます。)

交渉相手の大家さんに敵意をもたれないようにするために、重要なことは、交渉の最初の段階で、あるいは家賃減額依頼書の冒頭で、(本当に心から思っているか、思っていないかは別として)自ら謙遜し、大家さんに対し日ごろの感謝の念を明確に伝え、交渉相手の大家さんに対し敬意を表すことです。

(なにげないことですが、これがあるのとないのでは交渉の内容が明らかに変わってきます。失礼な表現ですが、元手のかからない有効な方法かも知れません。)

つまり、交渉を誠実に行いたい旨を明確にします。なぜなら、大家さんが「誠実な申し出ではない。」と感じたら、交渉は難しくなるからです。

3 高い実績を上げている裁判所の和解に至る手法

上記のとおり「裁判所が公表するデータによれば、裁判所で取り扱われる民事事件の多くは和解によって決着します。」といいましたが、そうでなるのならば、高い実績を上げている裁判所の和解に至る手法を利用しない手はありません。

以下は、「例えば」というくらいでお聞き下さい。

裁判所の和解に至る手法はシンプルです。原告被告それぞれを個別にして、原告に「被告から支払ってもらいたい額」を聞き、被告に「原告に支払ってもよい額」を聞きます。

どちらかが裁判所(裁判官)が考える額と極端に乖離していない場合、そのちょうど中間あたりで合意を目指します。

いわゆる「落としどころ」を決めます。乖離している場合には、その旨を開示して、修正し、以上のような内容を繰り返します。

非常にシンプルな手法ですが、シンプルであるゆえ説得力もあります。

以上が中間値を目指すという手法です。

電球が光るイラスト

そして、個人向け家賃減額交渉と同じく借地借家法第32条が関係するオフィス賃料減額交渉について、交渉が決裂し、簡易裁判所での調停(賃料をめぐる事件は調停前置主義がとられ、裁判所が認めない限り、いきなり訴訟はできません。)や、調停がうまくいかなかった場合の裁判でも、申立や訴えを行っている側が主張する額が客観的な証拠に基いている場合、これと同じ手法がとられていると聞きます。

そしてこの手法は貸主への配分率につき不動産鑑定で最もよく用いられる「差額分配法」のなかの「折半法」(2分の1法)とも合致します。

そのため、近隣の不動産屋さんで得られた同じクラスの物件の新規募集賃料と、今支払っている家賃との差額をそのまま全部大家さんに負担させるよりは、これを折半し2分の1だけ家賃を引き下げてもらうという方法が、高い実績を上げている裁判所の和解に至る手法と合致します。

4 情を添える

日本人の国民性でしょうか。家賃減額交渉の場合も、交渉のはじめと交渉相手が交渉の意思決定する直前に交渉相手の情に訴えかけることを行うと大変効果的です

上記のとおり、交渉の最初の段階で、自ら謙遜し、大家さんに対し日ごろの感謝の念を明確に伝え、交渉相手の大家さんに対し敬意を表し、交渉を誠実に行いたい旨を明確にします。

握手するビジネスマンのイラスト

そして、交渉内容の終盤で、「実は、上の子が今度小学校に入学しまして、夫婦ともども努力はしているのですが、教育費で家計が大変苦しくて・・・」とか、「昨年からボーナスが極端に減り、今年からは残業代もろくにでないようになりまして、家計が苦しく・・・」などの個人的事情を添えます。この情に訴えかける内容を伝えることで、どうしようか迷っている大家さんの肩をポンと叩いて決断へ誘導します。

交渉についてよくご存知ではない方はこの内容を冒頭にもってきがちですが、冒頭にもってくると「家計の事情をなぜ家賃に転嫁するの?話しのすじが違うでしょ?他にやることがあるでしょう。」というような反論を大家さんから受け、交渉のテーマが家賃から遠のき、交渉が行き詰ってしまいます。

5 まとめ

概ね、家賃減額交渉を行う際には原則立脚型交渉を中核に、以上のような内容を加味していきます。



第3章 共通利益を利用した交渉

ダンボールのイラスト

ここを押さえるかどうかで成功するか否かがわかれます。





1 今も昔も

約紀元前500年に書かれた孫子の『兵法書』に「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」とあります。戦いでも交渉でも相手と自分を知ることは、今も昔も、大変重要なことです。

そして、このことは確実に交渉の結果に影響を与えます。

2 大家さんの立場

ここで大家さんの置かれている一般的な立場を考えてみましょう。

上記の「2-2 交渉相手の大家さんに敵意をもたれないようにする」で、大家さんは「現在のような経済状況下でも家賃はできるだけ引き下げたくない。」という意志を持ち、交渉時の大家さんの立場について説明しましたが、これは家賃減額交渉という一場面を切り取った時の、大家さんの立場に過ぎません。大家さんが近年置かれている本質的な立場については、さらに掘り下げて捉える必要があります。

3 高い家賃と安い家賃

市場経済の下、大家さんは一般的に物件に投下した資金を長期間かけて回収し利益を出していきます。この回収の元となるのが概ね家賃です。

したがって、大家さんは物件に投下した資金を長期間かけて回収するために、切れ間なく安定して家賃を得る必要があります。

もちろん、この場合、家賃が高いケースと安いケースとでは、高いケースの方が早期に物件に投下した資金を回収できそうです。

4 大家さんのリスク

しかし、『居住移転の自由』が認められている現在の日本のような市場経済の下では、そう簡単にはいきません。

周辺相場と比べ家賃が高いと、その物件に住んでいる人は高い家賃を毎月支払うことに不満をもち、引っ越してしまう可能性が大きくなります。

ダンボールとガムテープのイラストに×:引越不要

実は、大家さんにとって一番困ることは入居者の方が突然引越をしてしまうことなんです。

実際に、家賃について不満をもった人が引っ越してしまった場合、この物件の家賃は一般的に周辺相場と同じくらいにするか、それ以下にしないと新たな入居者は現れません。

この入居者の突然の引越による家賃収入の途切れが大家さんの一つの大きなリスクであります。いわゆる「空室リスク」です。

一方、「大家さんが行った不動産投資のリスクを、大家さんではなく入居者が負うべきか?」という疑問がでてきます。この答えは明らかです。

投資リスクは、本来、投資を行った者が負うべきであり、(契約を済ませているとはいえ、契約した時点の前提条件が大きく変わり予見できない)市場動向による賃貸物件の家賃変動リスクをすべて入居者が負うということは、おかしなことでもあります。

つまり、大家さんの二つ目のリスク、不動産投資を行った大家さんの本質的なリスクは「市場による家賃の価格変動」です。

なお、大家さんがかかえるリスクについてはいろいろありますが、近年、この2つの際立ったリスクが複雑に絡み合い、家賃保証会社の家賃保証というビジネスまでもが成立し得るような状況になっています。ただ、この家賃保証というビジネスモデルには限界があり、今後、注視していく必要があるかと思います。

5 賢明な大家さんはどちらを選ぶか

一見、大家さんにとって高い家賃は、大変魅力的ですが、(高い家賃によって引越が誘発され)月々入る家賃が途切れてしまうという大きなリスクをあわせもっているのです。

家賃がいくら高くとも途切れ途切れで入ってきていたのでは、資金回収の予定も立てられず、精神的にもよくなく、新規募集の手間と費用(不動産会社に支払う手数料や広告費)ばかりかかり、賢明な方法とはいえません。

相場平均的な家賃か低い家賃でも毎月途切れず入ってくる方が、資金回収の予定が立ち、精神的にもよく、新規募集の手間もかかりません。

6 賃貸物件の需給バランス

一方、不動産の価格を求める際の客観的な基準はいくつかあるのですが、ただ市場経済の下、ざっくり考えれば、価格は需給のバランスによって導かれます。

では、ざっくりと捉えて近年の賃貸物件の需給バランスはどうでしょうか。

7 人口減少の波

誰もが否定しない日本の人口減少という波は、長期トレンドで賃貸物件の需給バランスのうちの需要を押し下げます。

したがって、長期トレンドで賃貸物件の価格(家賃)も下がっていく傾向にある、と見込まれます。特殊な要因が加わらない限り、この傾向は続くと見込まれます。

なぜなら、景気の変動の波を、簡単に人口減少という強くて大きな波が打ち消してしまうからです。

8 賢明な大家さんが取るべき手立て

とすると、他の方と比べ賢明な大家さんが取るべき手立ては何か?この答えは極めてシンプルです。今、物件にお住まいの方に今後も住み続けてもらうことです。

家と電卓のイラスト

他の大家さんはそれでは困ると空室物件の家賃を下げて募集をかけてくることでしょう。

しかし、賢明な大家さんは周辺相場と入居者の方に気を配り、自らの物件が空室になることを避ける手立てを講じることでしょう。

9 入居者みずから空室防御

以上のことからご理解いただけるとおり、現在の市場環境下で、個人向け家賃減額交渉を行おうと思っておられるみなさんが、今お住まいの物件に今より下がった家賃で住み続けることは、一般的にその物件の大家さんにとっても、合理的なことといえます。

言い換えれば、この大家さんは、周辺相場と入居者に気を配り続けなくとも、入居者であるみなさん自ら家賃の適正化を求め、物件が空室になることを防いでくれているわけですから。

10 まとめ

結論としては、個人向け家賃減額交渉を行うと思っておられる方と、その大家さんとの近年の「共通利益」は、短期の利害(家賃)を上回る「長期安定的な関係」といえます。



第4章 弱い立場を逆転させる交渉カード &心構え・調査意欲

交渉カードイメージさせるトランプ

手持ちカードの使い方次第で、逆転させるこも可能なんです!




1 最も強いカードとは

広く知られているとおり、交渉で最も強いカードは「交渉が決裂しても構わない。」というものです。

賃貸マンションの家賃減額交渉の場合、早期の円満解決を第一としますが、一般的に、大家さんに日ごろ嫌われていないにもかかわらず「家賃が思うように下がらなければ引越しをする。」という心構えのできている方は、大変強い交渉カードを持っていることになり、有利な交渉ができることになります。特に、次の入居者がすぐに見つかりそうもない場合、この交渉カードの力は大きくなります。

また、(独りよがりではない)客観的な基準等に基づく資料により、現在支払っている家賃が高いと合理的に裏付けできる場合、「交渉相手が理不尽にも交渉の合意を目指さない場合には、借地借家法第32条第3項に基き、当面、契約上の家賃を支払いながら、賃料等調停の申立を行い、あるいは、この調停が不成立に終われば訴訟に移り、当初の家賃減額請求の時点から判決確定の日までの累積された当該差額分と、その累積額の1割(10%)の利子を取りにいく。」という心構えのできている方は、非常に強い交渉カードを持っていることになり、極めて有利な交渉ができることになります。

このように相対的な交渉力は、その他の力関係に左右されない面があります。

2 具体例

上記「(1) 有名な駆け引き型交渉」の欄で海外の露天商の例を挙げましたが、この例に当てはめて考えてみましょう。

客であるあなたは鉄道会社の社長で、観光でたまたまこの露天商の店先を通りかかったとします。一方、この露天商は、裕福ではなく、10年以上同じ駅前の路地で同じような物を売っていたとします。

さて、この場合、どちらの方が交渉力があるのでしょうか?

皿の値段の交渉以外の力は、明らかに、企業の社長であるあなたにあります。しかし、この裕福ではない露天商の主人はその種の皿の売れゆきをある程度予測できる経験をもっています。

したがって、その皿をあなたに売らなくても別の客に売ることができます。

ところが、あなたはその皿の仕入れ値や同様の皿が他で売られているかどうかも知らない限り、この値段についての交渉の立場は極めて弱い、といえます。

社長であるあなたの経済力や地位は、この交渉におけるあなたの立場をなんら強めていないことを理解していただけると思います。

ここで、この露天商の「最も強いカード」は、その皿をあなたに売らなくてもよい、というカードです。

切り札をイメージさせる2枚のトランプのイラスト

一方、企業の社長であるあなたがこの値段交渉で交渉力を高めるには、その種の皿について調査することが必要になります。

そうすれば、ここでのあなたの交渉力は一気に高まります。

3 調査意欲

この具体例から理解できるとおり、交渉しようとするものについて、また、交渉の前提となるルールなどについて、事前に調査することは大変重要なことで、調査するかしないかは、交渉結果に大きく影響を与えます。このことは個人向け家賃減額交渉についても同じです。

まずは、近隣の何件かの不動産屋さんを訪れ、自分が住んでいる物件と同じような内容の物件の家賃相場を調べ、そして最近の募集物件の家賃が安くなっていることに気付き、自らのモチベーションをあげる材料として下さい。

その後(あくまで念のためですが)現在の家賃が高額であるという点について、(独りよがりではない)客観的な基準にもとづく資料を入手し、家賃減額請求から、賃料等調停、訴訟までの流れを一通り理解して、そこから得られる利益についても理解して下さい。

この超低金利の時代に、単利とはいえ、年10%の利子を付けた累積の額が得られるのです。そのため、長引けば長引くほどゲインが多くなります。借地借家法第32条第3項は、このことについて定め、家賃減額請求に応じない者に強烈なプレッシャーを与え、かつ、けん制する作用をもちます。

したがって、交渉を有利に展開するには、交渉相手に強烈にプレッシャーを与え、かつ、けん制する手法については、調査し、そして理解しておく必要があります。

ここで重要なことは、現在支払っている家賃が高額であると裏付けできる客観的な資料があるか否かです。

4 2つの最も強いカードの使い方

これら2つの最も強いカードの使い方は、交渉の相手に「あの2つのカードが彼(彼女)の懐にあり、いつでも取り出せる状態にある。」と感じ取らせることです。家賃減額交渉は早期の円満解決を第一としますので、交渉相手の感情を害することなく、交渉相手にこれらを微妙に感じ取ってもらう高度な技術が必要となってきます。

家賃減額交渉は、上述したように交渉のなかでも、その場限りの、関係単発型の交渉ではないため、いきなり賃料等調停・裁判という手段を、ほのめかして相手の感情を害したり、あるいはすぐに選択したり、または、いきなり感情的になり引越をしたりするのは、本当の交渉とは如何なるものかを知らない人達が取る愚策になります。隣国に外交もせず、いきなり宣戦布告する状態に近いものがあるのではないでしょうか。愚かです。

目的は一つ。早期、かつ、円満に家賃を引き下げてもらうことです。だからこそ、この2つの最も強いカードを巧みに使わなければなりません。そして交渉相手の考えを読み取り、その意思(意志)のベクトルの向きを合意の方へ誘導していかなければなりません。



第5章 交渉にあたり

相手との関係を重視した交渉

家賃は毎月のことなので、家賃引き下げは大きな費用対効果をもたらします。



1 大家さんとの関係を意識した交渉方法の組立が重要

家賃減額のための交渉は、上記の関係単発型の交渉(その場限りの関係でその場限りの交渉)でななく、関係継続型の交渉(継続的な関係が続く交渉の型)になります。したがって、上述のとおり、家賃減額のための交渉は、原則立脚型交渉(客観的基準にもとづく交渉)で組み立て、共通利益を利用した交渉になります。

2 効果的な内容を記載した書面での申し入れ

ここでの共通利益を有する者どうしは、一種の運命共同体ですから、一般的に「持ちつ持たれつの関係」にあると言えます。

家のイラストの上に!

が、しかし、自分から交渉相手に対し「私達は持ちつ持たれつの関係じゃないですか。」とは言いづらいものです。

そこで、家賃減額請求を行う側は、自分から交渉相手である大家さんに対し「私達は持ちつ持たれつの関係じゃないですか。」とは言わずに、大家さんが「自分たちは共通利益を有し一種の運命共同体だ。」と感じる表現を文書に記載し、大家さんにこれを読んでもらい、ゆっくり感じとってもらう手法が効果的になります。

つまり、大家さんに対し効果的な内容を記載した書面で申し入れを行います。(これは法人の場合も同様です。)

3 費用対効果

いかがでしょうか。2020年のオリンピックの影響を直接受ける都心部を除けば、人口減少をともない結果的に需要が減っていく経済の長期下降トレンドの状況下においては、同一物件の家賃が上昇することは考え難い、と思われます。

人口減少をともなう経済の長期下降トレンドの状況下でなくとも、一般的に賃貸物件は経年的な劣化が進行するゆえ、同一物件の(継続賃料としての)家賃が上昇することは考え難いものです

したがって、そうであるのならば、一般的に、家賃減額交渉支援のサービスを利用して自ら家賃減額を行うことの効果は、その物件に住み続ける限り時間とともに大きくなり続けると言えます。つまり、家賃減額の効果は極めて大きいと言えます。



第6章 早期解決を目指す

交渉の早期解決

交渉を長引かせたり、決裂しないためには最初が重要です。




1 大家さんも

一般的にはと言うより、多くの大家さんも、家賃減額の申し入れを行った際には早期の解決を望まれます。いや、効果的な内容を記載し、客観的なデータを用いた書面での申し入れを行うからこそ、大家さんもそう思われるのかも知れません。

2 なかには変わった大家さんも

なかには交渉自体を楽しもうとされる大家さんがおられるのも事実のようです。このような特殊な場合には少し多めに時間がかかるはずです。



第7章 交渉決裂後の対応方法

引越する必要はない

事前にあらゆることを想定して交渉を開始します。





1 今の家賃のままで住み続けるか、それとも引っ越すか(基本的に引越す必要はないと考えます。)

まず、重要なことですが、一般的に、大家さんは近年の経済環境下では適切に毎月家賃を支払ってくれている入居者が引越をしてしまうことが最も困ることです。

ダンボールとガムテープのイラストに×:引越不要

そのような理由もあり、また「最も強いカード」の箇所で説明したとおり、「もし家賃減額交渉がうまくいかないなら、同じような物件でもっと安いところへ引っ越す」と決めている場合で、次の入居者が見つかりそうにない場合には、交渉力が最も強くなります。

ただ、そう心に決めていた場合でも、交渉がうまくいかなかったからといって、大家さんに家賃減額交渉をするにあたり「家賃減額交渉がうまくいかない場合、引っ越す」旨、伝えていなければ、基本的に引越す必要はないと考えます。

もうご理解のとおり法律で交渉する権利を認めているため、交渉がうまくいかなかったという理由だけで大家さんは「出て行って下さい。」「他へ引越して下さい。」とは言えないのです。

借地借家法は借手側保護に力を入れています。

したがって、今の家賃のまま住み続けることも可能です。ただ、家賃の不払いはいけません。

一方、家賃減額交渉は行うが、そもそも今のところを引っ越すつもりはない、という場合、法が請求することを認めているわけですから交渉が決裂したからといって引っ越す必要はありません。

家賃減額交渉は行うが、そもそも今のところを引っ越すつもりはない、という場合で、「最も強いカード」を得たいときには「今のところは住みやすく気に入っているのですが、他に(安い)○○万円の物件があり、気持ちが揺らぎます。」というくらいの表現に留めて、大家さんに伝えておきます。

ただ、近隣に、今住んでいる物件と同じレベルの多くの物件が安い賃料で募集が行われ続けていたら、引越の手間と費用を考えても引越したくなるかもしれませんが・・・。

2 調停(意外と簡単です。)

インターネット上の家賃交渉のマニュアルものに、経験豊富な不動産の専門家と名乗る方が、家賃減額交渉がうまくいかないなら、そのままの家賃で我慢すか、引っ越すしかない、と書かれています。

が、しかし、これは誤りです。別の方法が存在します。上述のとおり、最も強い交渉カードの一つの裏付けとなるもので、当事者間の交渉で家賃の額がまとまらない場合には調停、訴訟により解決することもできます。

家賃の額に関することについて、いきなり裁判を行うために提訴することはできません。家賃の額に関することについて、日本では調停前置主義が取られ、まず調停を申し立てることになります(民事調停法第24条の2)。調停でも交渉がまとまらない場合に裁判を行うことができます。

ここでいう調停は「賃料等調停」と呼ばれています。調停ですので裁判ではありません。

裁判官1名を含み、民間から選ばれた調停委員が、申立者と大家さん側とに交互に面談し、調停を行います。裁判所のホームページに分かりやすく説明が行われています。そこには書式まで用意されており、ほとんど○を付けるだけで済んでしまいそうなくらい簡単な申立書も用意されています。

だた、申立を裏付ける資料は自分の方できっちり用意する必要があります。

上述のとおり、家賃減額交渉は早期の円満解決を第一とします。そのため、おすすめはしませんが、調停は簡単ですから弁護士をつけなくても行え、調停に関する費用も少額で済みます。詳しくは、裁判所のホームページをご覧下さい。

3 訴訟

上述のとおり、調停で合意に達しなければ、裁判を行うことができます。この点については借地借家法第32条第2項及び第3項に定められています。ここで重要なことは、借りている側が勝訴した場合、大家さんに対し書面等(通常は、配達証明付き内容証明郵便)で家賃減額の申し入れをした日から、判決確定の日までの累積の家賃の差額分とその利息分(年単利10%)を得られるということです。

したがって、勝訴する見込がある場合には、裁判が長引けば長引くほどメリットが大きくなります。詳しくは、ぜひ弁護士に相談してください。

4 まとめ

以上のいずれを選択されるにしても、家賃減額交渉後の流れを知ったうえで交渉を行うのと知らないで行うのでは、交渉結果に与える影響が違います。ただ、家賃減額交渉は早期解決が一番です。



第8章 感謝と心配り・誠実に交渉

握手のイラスト

交渉上手はこれを必ず意識します。






1 ひとり相撲とお膳立て

言うまでもなく交渉を行うには、相手が必要であり、相手がいわゆる「交渉のテーブル」についてくれなければ交渉自体が行えません。そのため、相手の気持ちが「交渉のテーブル」に向くようにお膳立てをする必要があります。

家賃減額交渉の場合、減額交渉を請求する側が「誠実に」交渉したい旨を明確に伝えることがお膳立てになります。

2 誠実に交渉したいことを相手に伝えるには

一般的に誠実に交渉したい旨を相手に伝える方法は、交渉相手に対し冒頭で「敬意を表す」こととされています。

個人が行う家賃減額交渉の場合、(本意は置いといて)大家さんに対し冒頭で明確に「感謝」を伝えます。賃貸物件に住まわせてもらっていることに対する感謝です。(個別でこれ以外で感謝できることがあれば加えてもよいのですが、逆効果になる場合もあります。)これを書面の冒頭に必ず書きます。そして、それぞれのケースで内容が異なりますが、適切なコミュニケーションが取れるように大家さんに対し「心配り」の言葉を添えます。

これでほとんどの大家さんの場合、その気持ちは「話は聞くだけ聞いてみるか。」という方へ動きます。言い方は悪いのですが、元手のかからない有効な方法です。

3 交渉が感情論にならないようにする

一般的に利害の対立することを話し合う場合には、工夫しないと話が感情論に至ってしまう可能性が高く、注意が必要です。上記のことを書面に表すだけで、その後、大家さんの口から感情論的なことが出るのを未然に防ぐ作用もあります。

ここで再確認しておきましょう。目的は1つ、家賃の減額であり、喧嘩して日頃のストレスを発散することではありません。そのため、仮に、家賃交渉を開始した後、大家さんから耳障りなことを、一言二言、言い返されても、それにのっていては交渉どころではありません。

握手するビジネスマンのイラスト

したがって、その耳障りなことに対しては反論せず、必ず「申し訳ありません。今後は注意します。」と受けて、その後、「ところで、・・・」と切り返し話題の方向を家賃に戻します。いくつか耳障りなことを想定し練習しておくとよいでしょう。(応酬話法といいます。)事前に想定していれば、決まったフレーズを言うだけですから。

例:「玄関の前がいつも散らかっている。」「ごみ出しの曜日を間違っている。」「以前、○月分の家賃の支払が遅れた。」・・・

4 まとめ

個人の方の、大家さんに対する家賃減額交渉の基本姿勢は「感謝」と「心配り」です。そして誠実に交渉を行いたいと大家さんに理解してもうことです。実際、誠実に交渉していきます。ただ、表面的に利害の対立することを話し合うわけですから、感情論に陥ることは絶対に避けなければいけません。

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